私が結婚を意識し始めたのは、24歳の時でした。
その当時、少人数の職場で働いていまして、独身の方がいらっしゃいました。
私に恋愛経験がなかったこともあり、異性として気に留めることもなく毎日を過ごしていました。
身の上話を重ねるうちに、好き嫌いではなく、会話を通して人生を見つめるようになっていきました。
ただ、事情があって、お互いに結婚が無理な状況。
抱えている問題があったのです。
結婚は勢いとタイミングというような通念もありますが、結婚することによってお互いの幸せが奪われてしまっては元も子もありません。
結婚できない原因のひとつとして、就業の問題がありました。
婚活の前提条件ともいうべき「就職先」が不安定では、未来は明るいものとはいえません。
過去の職場では恋愛の余裕がない環境でした。
出会いは作るもの、であるとしたら、職場の他に見つけなければなりません。
しかし、お給料は低く、その上、家族の介護・奨学金の返済・通勤に必要な自動車の購入が重なり、毎日の生活に必死でした。
婚活は、結婚が成立するまで交際費がかかります。
それを投資といえば、リターンも大きいでしょう。
その投資ができない状況でした。
過去を振り返ると、24歳の時に、人生を語り合った独身の男性の方が唯一の婚活だったのではないかしらと気づき始めます。
恋愛の大きな熱量を感じたわけではなく、この人とは一生会話できそうという長期的な平熱の勘が働いたとでも申しましょうか、法律上の婚姻の枠を超えた体験です。
適齢期を迎え、結婚したくてもできない辛さを抱えていることには間違いありません。
忘れてはならないのは、配偶者を選ぶということは、心身に直接関わる人を選ぶに等しく、一旦誤ると取り返しの付かないことにもなりかねないことです。
身の丈を超えた方とのお付き合いに憧れては、自分の現状に悲観し、自分磨きをするために学ぼうとすれば思うように投資ができない。
それでも、見識と美しさと健康な私になって、誰かに見てもらいたいという気持ちを捨てないように日々過ごすことが、せめてもの婚活。
洗練された人が集まる場所に出向き、出会いを求めることを怠ってはいけない、と心の片隅で戒めています。
日が落ちる時間になると、家族に今日あった出来事を話したいと思うようになりました。
好きな人の話を傍で聞けるようになりたいです。
経済的にも精神的にも不安にさせないような妻でありたい、未完成のまま、歳を重ねています。